看護物語

私達は“家族”です

2012.12.01

                          5階病棟 川瀬・薩美・荒木

Aさんは肺癌術後の患者さんで、60代男性・単身独居の一人暮らし。

今回肺癌の再発と癌性腹膜炎にて入院しました。

家族の面会も少なく、人に頼ったり甘えたりすることが苦手なAさんは身の回りのことは自分で行い、Nsに頼ることはほとんどありませんでした。

腹痛や嘔気の症状が強く食事もままならないAさんは、Nsに苛立ちをぶつけることもありました。

私達はAさんに残された時間をどう過ごしてもらうのがよいのかカンファレンスを行いました。

Aさんの希望は“自宅退院を望まない”“最後は大部屋で迎えたい”など、私達の予想と反するものばかりでした。

ある日の夜Aさんは「骨なしのコンビニのチキンが好きなんだよな~。もう一回食べたいAさんは嘔気が強く絶食になっていたので食べ物の話をすることがありませんでした。

コンビニでご希望のチキンを買っていくと「これだよ、うめぇな~」と笑顔で食べながら、今までの辛い経験なども話してくださいました。

それから数週間経って、モルヒネの皮下注が始まり、せん妄が出現しました。

そして、“チキン”を食べてから約1か月後に大部屋で看護師に見守られながら息を引き取りました。

誰もが家族に看取られる環境ではなく、一人でなくなる方も少なくありません。

一人で亡くなることは不安や孤独感に苛まれることだと思います。

今後もそういう方に対し、私達が家族のような存在で寄り添っていきたいです。

 

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