看護物語

汐田カントリ-クラブ

2010.12.01

汐田総合病院4階病棟

001脳梗塞で治療をしていたAさん。
のちの検査で、癌の終末期であることが分かりました。るいそうが目立ち、呼吸状態の悪化に伴い酸素を装着中で、数日前から終日ベッド上で過ごすようになっていました。Aさんは、厳しい病状の中でも穏やかで、その笑顔で周囲の人を癒すような方で、いつもご家族に囲まれて入院生活を送っていました。

そんなAさんの今までの人生は、現在の様相からは想像できないものでした。若い頃、山梨県から風呂敷1つで上京し、会社を興し一代で成功させたというのです。仕事の合間をぬってゴルフを楽しみ、腕前はシングルでラウンドする程だったというのです。ゴルフは定年後も楽しみ、よく息子さんに教えていたとご家族よりお聞きしました。

「Aさんと一緒にゴルフをしよう!」 そんな声がスタッフの中から上がりました。Aさんの病状が落ちついていていたこともあり、段ボールや缶を材料に即席でパターゴルフセットを完成させました。実際Aさんはパターを振るのも弱々しく、ボールになかなか当たらず、息子さんと一緒にパターを握り、見事ゴールさせました。湧き上がるスタッフの歓喜にAさんはほんのりと笑顔を見せてくれました。

002その人の生きてきた道を知り、個別にはたらきかける看護の素晴らしさをて実感しました。

Aさんの笑顔により、私たちにも笑顔があふれ癒されて、共に喜びを見出すことができました。

かけがえのない時間を共に過ごさせて頂いたAさん、ご家族の皆様に感謝しています。

Aさんは約1ケ月後にお亡くなりになられました。ご冥福をお祈りいたします。